100年以上前の本であるにも関わらず、「最新の学習指導要領の解説として出た」と言っても違和感がないほど、理論的には古びていない気がする。
8すなわち、その実存のただ中で、人間はその人間の固有の問いに対する返答をみずから遂行するのである」 13。
そしてそのようにして問いを問われた者の上へと、人生は毎日毎時、問いを立てかけてくるのである。 特に自分の人生を作り出したのではない生かされている人間が、だれも代わりに果たし得ない使命を有していることを考えると、その使命は天から授けられたもの、天職と考えられるであろう。 ということで、まずはコペルニクスが「地動説」を唱えた 天文学者だということを覚えておいてください。
15なんなら、 人間の世界でもリンゴをリンゴとして認識していない可能性もあります。 あの箇所において、人間は人生に向かって問うべき存在なのではなく、人生から問われている存在なのだ、とフランクルが言うとき、やはり自らの出自を忘れた自己を、もう一度、元来の関係へと連れ戻すことが意図されている。
これは対象(リンゴ)があるから認識できてるのでしょうか? もちろん、そうですよね。 コペルニクスの意義とは とりあえずすごいのは、「宇宙は地球中心にできている!」という、なんとも地上から見たら当たり前な発想を、「いや、地球が太陽の周りをまわっているのだ」と大胆に覆したことです。 そしてあなたについて言えば、この文章を読んでいるその毎時毎刻に、人生から矢のような問いがあなたに向かって飛んできているのである。
1「物の存在を前提にしちゃっているから、素朴実在論が出てきちゃうんじゃないか?」というわけです。 カントは 「対象が認識に依存する」 というこれまでとは全く新しい発想を生み出し、 これにコペルニクス的転回という名前をつけたわけです。
3少し難しいですが「認識が対象に依存する」というのが「天動説」で 「対象が認識に依存する」というのが「地動説」と同じ役割です。 生きるとはつまり、生きることの問いに正しく応える義務、生きることが各人に課す課題を果たす義務、時々刻々の要請を充たす義務を引き受けることにほかならない。
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