(中略) 下人は、手段を選ばないという事を肯定しながらも、この「すれば」のかたをつけるために、当然、その後に来るべき「盗人になるよりほかに仕方がない」という事を、積極的に肯定するだけの、 勇気が出ずにいたのである。 だから、老婆に対峙して捕らえてやろうという勇気が下人の心に湧いてきました。 女は着物から短刀を抜き取り、必死の形相で多襄丸に抵抗する。
5最初に老婆を見たとき、下人は恐怖を感じています。 そしてその相手とのやりとりの中で自分の(そして相手の)解釈を深めていくということ。 生きている者は誰もいない、そんな寂しい場所に、1人の下人がやって来ます。
(ちなみに杣売りとは材木を売っている人です) 多襄丸は真砂を手込めにした後、真砂に「俺の妻になって欲しい」とお願いしていました。 しかしこの旅法師だけは門の下に留まり、態度を保留している。
2責任逃れのために、自分の見えのために嘘をつく人勝手な人間。 そして、老婆の話を聞いた後の下人のくだした判断。 多襄丸と武弘は何度もこけたりしながら無様な戦いを続けますが、結局多襄丸が武弘を殺してしまいます。
芥川の「藪の中」を物語の本筋として採用し、メインの舞台を羅生門に据え、人間の持つエゴイズムを鋭く衝いた作品としてその評価は高い。 最後には、「自分が生きるため」という エゴイズムを善悪の判断より優先してしまいました。 養父の芥川道章は、東京市の官吏として順調な出世を果たし、龍之介の誕生の頃に叙勲を受けた人物である。
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