かつての自分が見たキラキラのピーターパン。 あかりは推しを推すことでなんとか立っていたけれど、推しの推しのために狂うことはなかった。 ですので、ここに書いてあることは個人の読書感想文であり、それ以上でもそれ以下でもないことを頭の片隅にでも置いておいていただければ幸いです。
生きづらさを抱える主人公が、なんとか社会で生活するよすがが「推し」なのだ。 「推し」についてのブログを書き続け、そこで人間関係を構築し、推しのグッズを買ったり、人気投票に参加するために、「空気が読めない」ことを周囲に責められながらアルバイトを続け、家族からも「他の人ができることができない子」という目で見られ…… 自分がやりたいことに関しては、すごい力を発揮することができるのに、それ以外のことには、興味が持てない。 宇佐見りん著による本作。
そんな中、自分より若い推しがそのスターダムをどんどん駆け上がっていく姿には、じゃんじゃんとお金を投資したくなる価値がありますし、1秒でも多く見ていたいと思います。 うん、やっぱりうまく言葉にできません 笑 でも、おっしゃる通り、環境ですよね。 前作は三島由紀夫賞を最年少で受賞されているそう。
11現実世界でも応援が宗教的方向になってしまう人はいて、「推し」や「オタ活」といった言葉の軽さから問題がライトに見えてしまうこともある中、改めてそういう危険性に気づかせてくれる面もあり、まさに現代の空気感を切り取った小説だと思った。
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