ここ数年、トヨタ全体の販売台数は堅調であり、プリウスに合わせて伸び悩んでいるわけではなく、「C-HR」や「カムリ」、「カローラ」といったグローバルモデルがけん引しているからです、 これらのモデルには「THS II」というプリウス同様のハイブリッドシステムが採用されており、かなり乱暴な表現ではありますが、プリウスの血を受け継いだ子どものような存在です。 プリウスの本当の功績は、プリウスというハイブリッドカーを発売したことではなく、THS IIというさまざまな車種に展開可能なハイブリッドシステムを開発したことにあります。 3万台であったのに対し、海外では223万台もの台数を販売。
15しかし、それ以外でもっとも印象的だったニュースのひとつに、トヨタ「クラウン」が生産終了するという報道がありました。
近年の自動車業界のトレンドである「グローバルモデル」ではないということも、ビジネス面では負担になっていると考えられます。 8万台という数字は、トヨタが日本国内で販売するすべての新車をもしのぐ圧倒的な台数です。
4それでも、2016年、2017年では2年連続で登録車の首位に、2018年は日産「ノート」にその座を奪われましたが、2018年末にそれまで不評だったフロントフェイスの刷新や安全性を全車で高めたマイナーチェンジにより、2019年登録車販売ランキングでは1位に返り咲いています。 そういった意味でも、プリウスが歴史に残る国宝級名車であることは疑いようがありません。
このように考えると、報道にあるように世界中の市場で販売台数を稼げるSUVスタイルの新型車として生まれ変わるというのは、理にかなっているといえます。 また、「86」や「スープラ」は結果的に復活しましたが、いわゆる従来のフルモデルチェンジとは異なる形で登場しました。
日本の自動車史に残るクルマをピックアップしたとき、その筆頭格のひとつとなるのはプリウスでしょう。 馴染み深いモデルが消えてしまうのは残念ではありますが、こうした徹底的な姿勢こそがトヨタの強みであることは間違いありません。
13「不振」という表現を用いましたが、トヨタとしてはある程度想定していた状態だったのではないかと考えます。 現在のプリウスが登場したのは2015年のことです。
6トヨタを代表する主力モデルということもあり、さまざまな反響を呼びましたが、もうひとつ気になるのが、世界中のエコカーを代表するモデルの「プリウス」です。 2020年11月に各社メディアで「トヨタが、クラウンのセダンタイプを廃止し、次期型はクロスオーバー化を検討」という報道が流れ大きな話題となりました。
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